良縁-その先の人生を見つめて

第6章 三十五年の歴史の重み ― 父、宮原嘉寿のこと

百年続く仕事でなくては、意味がない

私自身は、父が四十歳のときの子どもだったため、若いお父さんにあこがれて早くに結婚をしました。あまり深く考えずにした結婚でしたが、万一結婚せずに父が亡くなったら、私一人でいろいろなことを抱えることになり、たいへんだったと思います。家族というのはいちばん気を許せる空気みたいなものですが、やはりお金では買えない貴重な存在だと思います。
父のあとを継いで社長となったのは八年前。後を継ぐというのは、父にとって自分がやってきたことを息子が認めたと感じたようで、ずいぶん喜んでくれました。私に息子が産まれたときもたいそうな喜びようでした。自分の名を継ぐ息子のところに息子が生まれたというのは、男にとってある種の達成感があるのかもしれません。「息子と孫は違う」と言って、ペット用のひもを買ってきて私の息子につけ、近くのデパートに毎日のように連れていって遊ばせていたので、そのデパートで父のことを知らない人はいないくらいでした。

父は昔から「やるからには、百年続く仕事にしなくては意味がない」とよく言っていました。結局、父が考えたコンセプト、やり方が、多少形は変えても三十五年後の現在も生きていますし、まったく古びていません。孫の代までできること、親から子、子から孫へと続いても変わらないものを伝え願っていくという点では、父も、ここを訪れる会員さんの親御さんたちも共通のものを持っているのだと思います。

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